マンションの構造解析で誤った耐震強度データを使っていた問題、日に日に影響範囲が広がっている。
この事件、JR西日本の尼崎事故によく似ていると思う。安全軽視やコスト優先の空気の中で、周りの人間(たとえば設計会社、検査会社、施工業者)はそれとなく気が付いても指摘しない体質があったのだろう。工事関係者なら、階数などから柱の太さや筋の本数など、経験によって絶対に分かると思うのだが、「今回のはずいぶんコスト落としたな」「ちょっとやりすぎじゃないのか?」「そんなこと言ったら次仕事来ないぞ。黙ってろ」で終わってしまったのではないか。JR西なら「ダイヤ遅れてるぞ、このままだと日勤だぞ」と。
水がぎりぎりまで入ったコップに10円玉を入れても数枚までなら表面張力でこぼれない。ところが、たまたま何らかのきっかけ(運転士がスピードオーバーしたとか、計算で不正データ使ったとか)があると、途端に溢れてしまう。
もちろん悪いのは今回のケースでは一級建築士の姉歯某である。ただ、チェック機能が日頃から末端まで働いていた風土だったら不正は容易に看破されたはず。
コップに水が満々と注がれていても誰も気が付かないし誰も言わない社会。そういうトラップが日本のあちこちに仕掛けられていそうで怖い。