弱者視点とアーカイブ

 1990年頃、大阪のあいりん地区で暴動が起こったとき、報道される写真は機動隊側から撮影されたものばかりだった。それを見た知り合いの橘川幸夫さんが、当時のパソコン通信の会議室に、弱者側・非権力側から撮影せずにジャーナリストを気取るな、なんて鋭い一言を書いていた記憶がある。

 沖縄戦の写真をいろいろ探しても米軍が撮影したものしか見つからない。そりゃそうだ。物資に事欠くありさまでは、報道要員を確保したりフィルムを調達するのは不可能だものね。日本側が撮影した写真といえば、出征のときの記念写真や軍幹部の肖像写真、前線に出る前の集合写真くらいしか本土にも残っていないんじゃないんだろうか。

 米国は公的な写真はパブリックドメインとしてウェブで公開している。かたや日本は、実のところアーカイブの重要性に対する意識が低いし、持っているところは(持っていることすら)公表したがらない。散逸している状況を見るにつけ、戦中から昭和後半あたりの貴重な写真を、公的機関が集中的にどんどんと収集しデジタル化して国民の資産として記録をつないでもらいたいものだと思う。

 写真は厚木に降り立ったマッカーサー。コーンパイプをくわえて飛行機のタラップを降りてくる写真が有名だが、カラーでも記録されていた。1945年にカラーフィルムを持つ国が相手じゃ、負けるのも道理だ。

Macarthur

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