小泉さんの謎
2006.12.22 Friday - 17:25
小泉官邸秘録/飯島 勲著(日本経済新聞社) 小泉前総理の秘書官である飯島 勲氏が、5年間に亘る小泉内閣の裏側を書いた本で、現在ベストセラーになっている(文自体は日経の記者がリライトしたように感じる)。先日買ってようやく4分の1ほど読破したところ。登場する人物や組織が知らない世界で多岐に渡っているので、集中してじっくり読まないと理解できない。でも面白い。 ハンセン病訴訟の控訴見送りや、経済財政諮問会議での骨太の方針の策定過程あたりまで読み進んだが、はぁなるほど、ニュースの陰ではこんな攻防があったのか、ということがよく分かる。 また、「官邸主導」や「役人主導」という言葉は日常的にマスメディアで使われているが、実際のところは僕らには言葉のイメージでしか理解することができない。飯島氏はずっと権力の中枢を見てきた人だから、その意味するところの本質を明確に書いてある。またまた、なるほど、と思う。 おそらく小泉さんほど、権力のツボがどこにあるかを理解していた政治家はいなかったんじゃないか。対外的には権力に対して執着のなさそうなサバサバした顔をしている(純ちゃん人気の一因)けれど、ずっと傍流にいて権力の在り処を肌で体得してきたはずだ。 そして、自身ではそんなことはないと書いているけれど、飯島秘書官の持っていた圧倒的な力というのも伺い知れる。しかし、一人の人間に35年間も仕えるということはどういうことなのだろう。カラスは白いと言われて、ハイ白いんですとは、簡単には言えないよね。 この本を読んでいると、安部さんの権力をコントロールする能力がはなはだ不安になってくる。支持率が漸減しているけれど、そういうところに国民は結構敏感なのだ。 |
ねこのばば
2006.12.03 Sunday - 4:11
最近の小説でお気に入りが畠中恵さんの「しゃばけ」シリーズ。ようやく文庫で三冊目となる「ねこのばば」が出た(ハードカバーではもっと出てるけど、いつも文庫化まで待つ)。 時代は江戸、薬種問屋・長崎屋の跡取息子である若だんなが主人公。 この若だんな、とにかく体が弱い。そこで、齢(よわい)三千年の妖怪である彼のおばあさんは、2匹(二人)の妖怪に人間の姿で手代として店に入るよう命じて、若だんなの面倒を見させている。病弱な若だんなは床に伏せている時間が長いこともあり、江戸の町で起こるさまざまな難事件を、妖怪の助けを借りながらホームズばりに推理で解決をしていく、というのが大まかな舞台設定。 妖怪が出てくることからファンタジー小説にも分類されるようで、とても軟弱な小説のように思えるけど、とにかくストーリーテリングに優れている。一作目から二作目、二作目から三作目と、だんだん上手くなってくるところが憎い。キャラクタや時代の書き方も生き生きとしているし、人情話にはほろりとさせられる。 気軽な読み物としてお薦めです。まずは一作目の「しゃばけ」からどうぞ。次に二作目の「ぬしさまへ」、そのあとで「ねこのばば」と読み進んでみてください。 |
「島の時間」
2006.10.02 Monday - 3:34
山下恒夫さんというカメラマンの「島の時間」という写真集を買ったんだけど、これね、とてもお薦め。なんというか写真がとても柔らかいのね。ネガカラーで写されているせいもあるんだろうけど、多分山下さんの心が完全に開ききっているんだろうと思う。僕は離島には行ったことがないんだけど、写真から島のゆったりとした時間の流れが伝わってくるから不思議。
沖縄や離島の写真というと青い空に紺碧の海が定番だけど、ポジで撮られたイメージどおりの写真はカリカリしていてい実のところ見ていて疲れるし飽きる。以前、沖縄本島の取材の折りに撮ってアップした写真からも分かるように、僕はイメージどおりの写真って撮ろうとは思わない(仕事を除く)。だからこういう写真を撮っている人がいると安心する。 山下さんのウェブからメールで注文するとオリジナルプリントの特典付き。mixiでご本人の日記を読むとかなりの赤字で大変のようですけど。 |
「沖縄アーカイブス写真集」
2006.09.27 Wednesday - 12:17
昨年の夏から企画は動き始めたものの、途中、もろもろのハプニングがあって完成までずいぶんと時間がかかってしまった「沖縄アーカイブス写真集」が、ようやく刊行となりました。沖縄の一世紀を500点ほどの写真と読み応えのあるキャプションで辿っています。 取次に納入された段階のようで、書店に並ぶのは数日後になると思います(amazonには在庫があるようですが)。 早くも若干のミスが…。読者の感想も気になるところです。ともあれ、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。 |
東京まちかど伝説
2006.06.24 Saturday - 22:40
自分で写真を撮りながらも滅多に人の写真集は買わない僕が、久しぶりに買ったのが「東京まちかど伝説」(平林靖人敏)。 モノクロで撮った比較的最近の東京をまとめた写真集。構図やタイミングが僕のスナップ視線に合っているのね。あと、被写体との適度な距離感も好感が持てる。画面はすべスクエアだけれど、視点の高さから考えてハッセルでもローライでもないようで、マミヤ6かあるいは中判をトリミングしているか。 モノクロ・スクエア・東京と揃えば、鬼海弘雄さんの「東京迷路」が有名だけれど、古本でも10,000円くらいのプレミアムが付いているので、まだ手に入れてない。 東京まちかど伝説に話を戻すと、2点ほど気になったところがある。まずプリントのトーンにかなりの幅がある。専門のプリンターさんに頼んでトーンを揃えてもらったとは書いてあるけれど、ところどころに硬調な写真が混ざっているのが気になっちゃう。あと、スナップなのにやたらと水平・垂直が出ていて、三脚を立てているのか、あるいはプリント時に直しているのか知らないけれど、ちょっとカチカチし過ぎでユルさがない感じ。新聞社勤務から定年退職した人なので、報道的な撮り方が身についてしまっているのかもしれない。 でも、やはりモノクロはいいですね。モノクロを見ているとモノクロで撮りたくなるし、カラーを見ているとカラーで撮りたくなる。節操がないよね。>自分 |
沖縄食堂
2006.05.29 Monday - 23:09
都内と横浜の沖縄料理屋を集めた「沖縄食堂」なる本が、なかなか書店で好評のようです。 データだけから書くことの多いタウン誌とは違って、載っているすべての店を取材スタッフが実際に食べて書いたとか。そのスタッフは仕事仲間なんですが、試食のときに何で呼んでくれんかねー(笑)。 目黒にある「例のお店」(笑)は出ていません。ちょっと残念だけど、あんまり有名になられても困るから、まぁいいでしょう。 |
最近買った本
2006.05.18 Thursday - 0:57
先週から来週にかけて仕事がパンク状態にあるのでなかなか更新できません。最近買った本でお茶を濁します。 「誕生色事典」(野村順一) うるう年を含む366日に、それぞれの季節にふさわしい色を割り当てた事典。あることに使おうと計画中。ちなみに僕の誕生色は「黄土色」で、「努力により目標に近づくコツコツ型」だとか。 「トライアル現場主義」(近藤哲史) 翻訳者が営業を行うときに欠かせない「トライアル」についてまとめた本。トライアルの現場の話の中には面白いところもそれなりにあるのだが、文中に「多いです」というの幼稚な言い回し(形容詞+です)が多用されていて幻滅。こんな低レベルの日本語を書く著者にトライアルを採点されるのだから翻訳者は可哀想だ。 「図解カラーマネージメント実践ルールブック2005-2006」(MD研究会) カラーマネージメントをマジーメントに(笑)勉強しようと買ってきた本。製版や印刷のところはチンプンカンプンだけれど、自分が納品した後の行程でいろいろと複雑な処理が行われていることがなんとなく実感できる。一般の人には無用の本。 |
祖国とは国語
2006.05.14 Sunday - 17:03
沖縄への往路で「国家の品格」(藤原正彦)を再読した。前回は途中までしか読まなかったので、実際には初めての通読になる。 一週間ほど前に、やはりベストセラーになっている「ウェブ進化論」(梅田望夫)を読んだ。グーグルがパワーバランスを「こちら側」から「あちら側」に移してしまった説明など、確かにそうだなぁ、と首肯するところも多いし、ロングテール現象やブログの話も整理してくれていて分かりやすい。(転職歴1回、独立歴1回の僕は、最後の「脱エスタブリッシュメントへの旅立ち」(=梅田望夫にとっての「あちら側」から「こちら側」への移動)を面白く読んだ) 2冊の本はどちらもよく売れているそうだ。今日現在、アマゾンのランキングで「国家の品格」は6位、「ウェブ進化論」は16位である。しかし、売れているからといって両者の価値は同じではない。端的に書けば、通読後に後者をブックオフに持っていくことはあっても、前者は書棚に永く置いておくだろうと思うのである。あとで述べるように読後感も異なる。 羽田への復路では、やはり藤原先生の「祖国とは国語」を読んだ。文庫は今年の1月発刊だから「国家の品格」(昨年11月)のあとだが、もともとは平成15年4月に出ていた本だそうで、「国家の品格」の土台ともなっている内容の本だ。 教育・社会・政治など何もかもがうまく行かない時代になってしまった。落ち込みに歯止めをかけようと、ありとあらゆる領域で対策がなされてきたが、対処療法なので成果が上がっていない。我が国の直面する危機症状は、足が痛い手が痛いという局所的なものではなくて全身症状である。国家の体質は国民一人一人の体質であり、それは教育により形造られる。国家的危機の本質は誤った教育にある。教育を立て直すこと以外にこの国を立て直すことは無理である。即効薬も逆転満塁ホームランもない。私は小学校における国語こそが本質中の本質と考える。国家の浮沈は小学校の国語にかかっていると思えるのである(要約は僕) と前置きしたあと、現在の教科書やカリキュラムの問題点、小学校英語教育の陥穽、グローバリズムの行き着くところなどを歯切れ良く論じている。他の人がこのような国家観や教育論をどう感じるのか分からないが、僕は素直になるほどねと思う。中途のエッセイや最後の満州再訪記もすばらしい。 著者は本を読むことの大切さに関連して、 世はIT時代で、インターネットを過大評価する向きも多いが、インターネットで深い知識が得られることはあり得ない。インターネットは切れ切れの情報で、本でいえば題名や目次や索引を見せる程度のものである。教養とは無関係である。 と書いている。おそらく「ウェブ進化論」を読んで僕が感じた物足りなさは、グーグルの強さをいくら知ったとしても、最終的に自分の血となり肉となることはないと直感しているからではないか。(同書を読む価値なしと言いたいわけではないので誤解なきよう) 「国家の品格」は200万部を突破したそうだ。成人人口で考えれば国民の数パーセントが読んだことになる。勝谷誠彦氏はブログで、「ただ目先の快楽に生きるだけの人が増えたことが格差社会の実相で、日本人の価値観の底が抜けてしまった」というような表現をしているが、果たして数パーセントもの人間によって徐々に日本は変わっていくものなのかどうか。当然変わっていくと信じたいのだが、相変わらず経済同友会などは国の主権よりも金儲けが大切だと公言して憚らない。情けないばかりか、大人が品や矜持を取り戻す難しさを感じてしまう。 |
本:スタインウェイとニュースタインウェイ
2006.04.03 Monday - 11:58
磻(ばん)田耕治「スタインウェイとニュースタインウェイ」エピック 僕はピアノは弾けないので楽器としてのピアノのことはよく分かりませんが、Steinway & Sonsが最高のピアノであるという話は聞き(聴き)知っています。大きなホールの料金表を見ると、ヤマハのグランドに比べてスタインウェイの使用料のほうが2割くらい高い。かつて、ダイレクトカッティングという録音手法が流行ったときに買った深町 純が弾くスタインウェイのレコードの音は、安物のオーディオ装置でもその凄さが十分に分かりました。 著者は日本ピアノサービスの創業者で、数多くのスタインウェイを扱った経験から、その品質が高かった1900年~1970年製は「レストア(リビルド)した場合にも他のメーカーのピアノとは比べ物にならない驚くべき復元力を持っている」と評しています。一方で、1980年以降(ニュースタインウェイと分類)は経営が資本の手にわたったせいもあってか、普通の量産品に成り下がっていてブランドの価値が毀損されていると酷評しています。 この本の中で著者と室内楽のフルートの先生とが会話するシーンが、サックス吹きの僕にはなかなか興味深いものでした。 著「このところ日本中どころか世界中で、子どもたち、とくに中学生程度のブラスバンドが盛んですね。それだけ楽器を使用出来るレベルが上がってきたのでしょうか」 僕の経験でもこの指摘は当たっていて、ヤマハのサックスはリードの番手がひとつ若くなった感じを受けるくらいに軽く吹けてしまう。セルマーは楽器が鳴るまでが大変だけれど、鳴り始めると素適な音が出てくる。 10年くらい前にサンフランシスコに行ったとき、ユニオンスクエア近くのピアノショップになぜかふらっと入ったことがあります。買う積もりもない僕に、女性スタッフが弾いてくれたスタインウェイの音は、心が震えるくらいにとても素晴らしいものでした。 |
本:もう牛を食べても安心か
2006.04.02 Sunday - 12:03
福岡伸一「もう牛を食べても安心か」文春新書 タイトルからするとBSE関連の内容に思えますが、中身は福岡先生(青山学院大教授)の哲学が展開された、非常に奥の深い本です。 中でも「なぜタンパク質を食べつづけなければならないのか」と題して、ルドルフ・シェーンハイマーというあまり知られていない研究者の業績を紹介しているのですが、これが僕にとっては「驚愕の事実」でした。 それまで生物はエンジンにたとえられていた。エンジンはガソリンを燃焼させて得られるエネルギーを利用して動力を生み出す。生物も食物を燃焼させて(正確には酸化させて)、そのとき得られるエネルギーを使って生命活動を維持する。生物体は安定した"内燃機関"として作動し、食物はそのエネルギー源となる。私たちの実感はこれに近い。 はい、ここまではいい。ところが、シェーンハイマーが摂取されたアミノ酸の行方を重窒素を使って探ったところ、まったく異なる結果が得られたのだというのです。 食べた食べ物は瞬く間に分子のレベル以下まで分解される。一方、安定なはずの生物体もまた驚くべき速度で常に分子レベルで解体されている。そして食物中の分子と生体の分子は渾然一体となって入れ換わり続けている。つまり、分子のレベル、原子のレベルでは、私たちの身体は数日間のうちに入れ換わっており、「実体」と呼べるものは何もない。(略) この研究結果に関する記述を読んだときは『えええッ!?※ゝ☆~△』ってな感じを受けました。僕自身て単に密度が高いだけなんですね。うーむ、自分の存在自体が希薄かつ奇跡のように思えてしまいます。 著者は、シナプスの結合で保たれているとされている「記憶」も、脳やシナプスが分子レベルで入れ換わっている以上どこまでが不変と言い切れるのか、といったところにまで論を展開しています。また、食物に含まれるアミノ酸が身体を構成することから、食生活の安全性・重要性やBSEのことも(科学的に)論じています。 なおBSEをより詳しく知りたい場合は、同じ著者の「プリオン説はほんとうか?」(ブルーバックス)も一読してみてください。異常プリオンはBSEの結果であって原因とは言い切れない、という可能性が示唆されています。 |
本:心に残るペットと人との感動ドラマ
2006.02.22 Wednesday - 16:26
宇月田 麻裕 編選「心に残るペットと人の感動ドラマ」学習研究社、2004年12月 エッセイストで開運研究家の宇月田 麻裕さんから、ペットロスに苦しむ人やペットのおかげで勇気がわいた人の話を集めた本を編纂したい、という主旨の原稿募集があり、そのころ飼っていたゴールデンレトリバー♀の闘病記を載せてもらいました。 2004年5月頃に発症。いわゆる白血病で不治の病です。6月頃に原稿を出した時点では抗癌剤で多少病状は落ち着いていたのですが、残念ながら7月に死亡。初校の段階で全体ページが増えない範囲でその経緯を追記しました。 他人が読んだところで「可哀想だったんですね」で終わってしまう内容ですが、病院から心臓が停止したという連絡が入り、駆けつけた段階ではまだ暖かった身体がすぐに冷たくなり、次の日にはペット火葬場でわずかな骨になってしまったところを昨日のように記憶しているので、自分の原稿ながら読み返すのがつらい作品です。 写真入りの本という形で残ったのがせめてもの思い出でしょうか。先日のネコ目イヌの左上がその彼女です。 ![]() |
本:はじめての著者デビューノート
2006.02.22 Wednesday - 3:21
吉田 浩・児玉 進著「はじめての著者デビューノート」明日香出版社、2004年5月 僕は、東京ライターズバンクという、4000人のライターと数百人の編集者をネットワークした組織に加入しています。独立以来、ライター仕事のかなりの部分はライターズバンクを通じた営業で獲得してきました。代表の児玉さんには足を向けて寝られません。 この本は、東京ライターズバンクの児玉さんと、有限会社天才工場を経営し最近では企画のたまご屋さんという本作りのマッチングを行っている吉田さんとの共著による、ライターデビューのハウツー本です。 後半に東京ライターズバンクの詳細を書いた章があり、同バンクを活用した生の声が欲しいということで、僕を含めて数名のライターが寄稿しました。 余談ですが、締め切り当日まで「100文字で」と勘違いしていて気楽に考えていたのですが、提出寸前で依頼メールをもう一度読み直したら本当は「1000字で」となっていてかなり慌てた記憶があります。 さて、僕はこんな書き出しで始まる文章を寄せました。 2003年4月1日、この日は僕の「独立記念日」である。その前日、20年間に及んだサラリーマン生活を終えて当時勤めていた会社をあとにした僕は、ふと上野公園に足を伸ばした。夜桜の下で缶ビールを飲みながら、ああ終わったんだなという想いと、明日から始まるフリーランス生活に対する希望と不安が交錯し、言いようのない感慨の中にいたことを思い出す。 末席ながらも僕がライターの世界に足を踏み入れたのは結構古く1990年頃である。ある出版社にいた友人の紹介で雑誌に連載させてもらうようになった。~ 3月31日に上野公園に夜桜を観にいったときの心境は2005年3月31日の「桜の季節」に書いてあります。飲み友達のシマコに付き合ってもらったんですが、とにかく花冷えのする夜で、震えながらビールを飲んでぶらぶら歩いていました。 そういう自分の節目の思い出を文字にして残せるのはモノ書きの特権かも知れません。なにしろ国会図書館にも収蔵されているわけですからね。 もうじき桜の季節がやってきますが今年の陽気はどうでしょうか。 ![]() |
本:インターネットの効率的学術利用
2006.02.20 Monday - 13:06
会った人から「どこ(媒体)に、どんなことを書いているんですか」って訊かれることが多いのですが、僕らのようなライターは、昨日はあっち、今日はこっち、明日はそっち、的な仕事が多いんで、簡単な答えができずにいつも窮します。 杉田米行編「インターネットの効率的学術利用」成文社、2004年3月 タイトルがずいぶんと堅苦しいように感じられるかも知れませんが、実はこの本、文系大学生向けのサブテキストです。大阪外語大学の杉田先生が2001年に「人文社会科学とコンピュータ」を出されていて、その改訂版として企画された本が「インターネットの~」です。 大学の研究活動や論文執筆・発表にインターネットを活用するには具体的にどうすればいいか、という手引書で、基本的なマナーや情報検索の方法、論文の発表方法、著作権や特許権の取扱いなどを総括的にまとめた本です。 僕が担当したのは第14章「インターネットを利用した学術情報の発信」で、研究室を紹介するウェブサイトの作り方や、研究成果を掲載するときの注意、学生やOB同士での連絡方法、論文の私費出版の方法などを取り上げました。 文系学生向けの文章は初めてだったので、知り合いの大学講師に知恵をもらったり、杉田先生に何度も原稿を直されるなどして、それなりに苦労しました。 2年前の本ですから技術的には多少古くなりましたが、章末の言葉は今も褪せていないと思っています。 インターネットは、管理者的な人や組織が統括的に情報を収集、コントロールしているわけではなく、利用者それぞれが自発的に情報を提供しながら成長してきました。「教えてくれてありがとう、お礼に私の持っている情報をお教えします」という相互扶助の精神、貢献(コントリビューション)の精神が根底に存在します。 すなわち、情報を発信することは「貢献」であり、インターネットをほんのわずかだけ豊かにする行為でもあるのです。 |
モスのココロ
2006.02.19 Sunday - 14:33
知り合いのライター白羽未依(しらは・みい)さんが「モスのココロ~モスバーガーハートフルブック」という本を上梓した。諸々の事情により彼女の名前は奥付に小さく出ているだけなのだが、編集から原稿までかなりの部分を手掛けたことに変わりはなく、彼女の本と呼んで差し支えないだろう。 編プロを2004年末に辞めてフラフラしているときにライターの会合で知り合った。間もなく30歳になるんですよ、負け犬の仲間なんです、しばらくしたらまた編プロでも探して入ります、とずいぶん弱気なことを言ってくるので、イラストも描けて編集もできるんだからフリーとして活動してみたらと飲みながら励まし(そそのかし?)て、知り合いの編集者に紹介するなどして営業を手伝ってあげた。 本を一冊作るのは大変である。とくにこの手の企業モノは企業側の意向が強く働くため、「そのうち愚痴聞いてやってください」と言うくらいに度重なる修正に泣かされたようだ。 でも、モスバーガーのサイトでも紹介されているし、すでにあちこちの女性ブログにも取り上げられているから、それなりに売れて苦労は報われるんじゃないかな。 ![]() |
ならぬことはならぬものです
2006.01.11 Wednesday - 23:20
ベストセラーとなっている『国家の品格 まだ3分の一ほど読み進んだだけだが、なるほどそうなのか、という感じ。僕はここ数年、東洋的な物事の考え方と西洋的な物事の考え方の狭間で揺れ動くことが多いのだけれど、やはり落ち着くべき考え方のところに落ち着くべきなのだ、と教えてくれているように思う。 理屈を超えて「ダメなものはダメ」でいいということです。 お薦め |












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