翻訳三昧

 今年は本作りが忙しかったこともあって、かなりの翻訳案件をお断りせざるを得ない状況で、以前の副業時代と同じくらいの年間収入○○万円((C) yamadaさん)しか期待していませんでしたが、ここ最近は忙しい。(それでも蔵は建ちません、念のため)

 デジタルテレビ用半導体の資料を昨日で片付けて、今日からBluetooth測定器マニュアルのアップデート500ページ。差分は少ないと踏んでいたのに、結構作業量がありそう(というか、自分でやった旧訳も見直しつつなので)。

 12月は少し時間ができると思ったんだけど、年賀状、いつ作りましょう。

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提供されない価値

 米国発のmarketing jargonのおかげで、「価値の提供」(providing value)とか「柔軟なインターフェース」(flexible interface)といったヘンテコリンな言い回しを、あちこちの企業の宣伝文句で見かけるようになった。まぁ、何割かは翻訳者の責任でもあるわけだが。

 価値は高めるものだろうし、ユーザーインターフェースは実体ではないからグニャグニャのしようがない。

 IT業界の中で頻繁に目/耳にしているうちに当たり前の言い回しのように錯覚してしまうけれど、マーケティング特有のこの手の言葉使いは、日本語として相手に意味を伝えていないことがなかなか理解されない。意図が伝わらなければ言葉の価値はゼロだから何も「提供」していないのと同じである。どこか矛盾しているのだ。

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罰ゲーム

 3月はもともとテンパイ状態だったにも関わらず、沖縄行きに、富山行きに、新規の打ち合わせに、飲み会のお誘い等々で日程が大きく狂い、スケジュールがめちゃくちゃになってしまいました。

 気が付いたら翻訳2本の締め切りがどう考えても間に合わない。
 こんなチョンボは初めて、うひゃ~(汗)

21日
 9:30起床。首都高往復150km走ってお彼岸の墓参り
 帰宅後WBCを観戦
 夕方から仕事に没頭、ひたすら翻訳・翻訳・翻訳…
 夜1本納品。その後徹夜

22日
 明け方に1時間ほどパソコンの前で意識が飛ぶ @_@
 ひたすら翻訳・翻訳・翻訳…
 午後に単行本の台割修正案を作成
 食事を摂る間もなく夕方から出版社に出向いて打ち合わせ
 その後、昔お世話になった人との会食

23日
 0時過ぎに帰宅して仕事を再開
 アルコールと寝不足で意識が遠のきつつも文章チェックの追い込み
 誤訳を数箇所発見(いつもならあり得ない多さ)
 明け方3時に2本目納品。2日も遅れて申し訳ありませんでしたっ!

 果たして何時間起きていたんでしょうか。
 40を過ぎてからのとオール(徹夜)はキツイんです。
 でも遅れたのは自分のせい。トホホ
 フリーの実態なんてこんなもんです。
 もう寝ます

 木曜は夕方PIE、その後、某社とコンペ打ち合わせ。
 金曜夜は会食
 日曜昼は家族サービスでランチクルーズ

 その間にウェブ原稿と写真データ作成
 単行本のスケジュール設定と素材整理、etc.

 なかなか休まるヒマがありません。
 貧乏ヒマなし、感謝感謝

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見出しテスト

 ちょっとややこしい翻訳チェック案件を引き受けてしまい今夜も夜なべが続いている。

 文中にこんな言葉が出てきた。企業の行動基準(code)に関わる一節である。

"Headline Test"

 はて、辞書を引いても出てこない。下訳をした別の翻訳者は字義どおり「見出しテスト」と処理していたが、それでは意味が分からない。さっそくgoogleのお世話になる。ヒットしたサイトをいくつか見ているうちに次のセンテンスを発見した。

The Headline Test. The idea is that before you take any action or make a decision, you ask yourself, "How would I feel if my action was the headline in tomorrow's paper?" It focuses on how we would feel if the whole world knew we had done something wrong. Ethics is not about not doing what's wrong - being ethical is about doing what's right.

 どうやら"Headline Test"は、

自分の行為/行動が明日の新聞の見出しを飾ったとして、それを読んで自分はどう感じるだろうか、を自問自答しなさい

という意味のようだ。アメリカで倫理的な判断根拠を与える手法のひとつらしい。

 日本語で意訳すると「ご先祖様に申し訳ないかどうか」とか「世間様/お天道様に顔向けできるかどうか」といったところかな。翻訳のほうは「新聞に載ることを考える」と処理してみた。

 しかしね、googleのお蔭とはいえ、ちょっと調べれば数分で意味にたどり着ける。それなのに "Headline Test" を意味不明の「見出しテスト」と処理して納品するようではプロとは言えないと思うのだ。

 「あなたの翻訳が新聞に載ったとして読者は理解できますか?」

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翻訳者のblog

 他の翻訳者のblogって読んだことはおろか存在すらも知らないので、googleでいくつかキーワードを入れて検索してみた。意外と数が多くてびっくり。

 今日は新規ジョブをx件受けたけれど納期がxxなのでキビシー的な仕事日記や、翻訳者を目指す主婦の奮闘記(的外れな奮闘なんだけど)や、脱サラからフリーランスへの苦労話を語ったblogが多い。

 書いている本人は分からないだろうけど、書いてある内容を外から読めば翻訳者のレベルや経験が分かってしまう(翻訳に限らない)。多くのblogの内容は僕にとっては「卒業」したテーマなので読む興味が沸かない。

 純粋に翻訳技術を表に出すのは難しい。原文は職業上の秘密だから開示できないし、ある1文だけを抜き出したって全体のロジックやリズムが見えないのだから適訳を論じる余地がない。

 それに翻訳スタイルは人によってさまざまだから、ヘタに他人の翻訳ノウハウを頭に入れようと焦ると、情報に溺れることになる。

 というわけで、結局どのblogもブックマークをしなかった。

 僕が翻訳の話題をあまり書かないのは、内容的にblog(日記)に乗りにくいと考えているからなのです。せいぜい小論ページに書いたくらい。何かいい切り口がないか考えてはいるんですけどね。

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年末年始はなぜかいつも翻訳をしている

 今年も終わりなので翻訳仕事をだいたい集計してみたところ、昨年よりも金額ベースでやや少なめの結果。今年はライター・編集仕事が増えて、その分、翻訳の案件をかなりお断りせざるを得なかったので、「マイナス成長」となりました。

 それでも、若い女性であれば一人つましく生活するには十分な金額です(家族持ち、ローン持ちなんでそうはいきませんが)。

 以前、翻訳関係の掲示板で、「自分は会社を辞めて翻訳者になって、自宅でぬくぬくと仕事をしているのに、会社に残った同僚が3Kの職場で働いて得ている給料よりもはるかに高い収入を得ていて、なんだか申し訳ない気持ちだ」という書き込みを読んだことがあります。

 翻訳の仕事は、そこそこ専門性があって、そこそこ訳文がきれいで、そこそこ営業力があれば、そこそこの収入が得られるのは確かだろうと思います。ただし、生活はほとんど引きこもり状態、誰と喋る機会もなく、誰が褒めてくれるわけでもないので、同じ仕事が延々と続くとメンタルに来てしまう可能性が高い。

 僕の場合は外に出るライター仕事でバランスを取っている感じです(メンタルも収入も)。

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翻訳者(翻訳家)に関する誤謬

・翻訳者は英語ペラペーラである。
 バイリンから入った人はペラペーラだけれど、僕は「ペ」の字もない(とくに海外出張がなくなってから錆び付く一途、軽くやばいかも)。

・テレビはいつも副音声を聴いている
 せいぜい「英語でしゃべらナイト」を観るくらい。パックン英検が結構難しいんだよね。

・外国人の友人がたくさんいる。
 外国の知り合いはほとんどいない。

・翻訳は知的な仕事である
 ノンノン、気力・体力・段取り力の勝負。

・翻訳に必要なのは英語力(外国語力)である
 英→日の場合は日本語能力と該当分野の専門知識が重要。英語力は極論すると二の次かも。

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